『京大生』のエロゲ備忘録

現役『京大生』がプレイし終わったエロゲの感想を淡々と紹介していくブログです。一部amazarashiと『論理哲学論考』の考察も含みます。一部の作品ではネタバレ全開で考察を書いています。アメブロでは成績公開をしていました。

沙耶の唄【ニトロプラス】【エロゲ】

予告通り、第2回目となる今回は「ニトロプラス」による2003年発売の名作「沙耶の唄」について書きたいと思います。 

 

※基本ネタバレはありません

 

4.沙耶の唄

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やったエロゲの累積数を明確にするために通し番号にしてありますので「4」となっていますが、特にその順番に他意はありませんので。

 

2003年発売の古い作品ですが、対応OSを拡張したベスト版外出先でも気軽にプレイできるandroidも発売されていますので、入手及びプレイは比較的容易です。

 

外出先でこんなのをプレイする人がいるとは思えませんが。

 

シナリオライターは「まどマギ」等で有名な虚淵玄氏です。

 

あらすじは以下の通りです。

 

ニトロプラス・アクションシリーズでお馴染みの虚淵玄&中央東口の両氏が、今回は得意とするアクション活劇路線はあえてとらず、男女の恋愛物語、そしてアダルトゲームとしてのHCGの充実など、新しい作風へとチャレンジした意欲作となっている。
 医科大学に籍を置く男女4人の恋物語。そして、ある日とつぜん郁紀(ふみのり)の家へと転がり込んでくる謎の少女・沙耶。人知れず悩みを抱えた一人の青年が、様々な人々との出会いと別れを経験し、ついには自分なりの人生を切り開いていこうと歩み出す……。
 内容はアドベンチャータイプのマルチエンディングを採用。低価格設定の短編ものではあるが、両氏の作り出す新しい作品に触れてみてはいかがだろうか。(げっちゅ屋 紹介文より引用)

 

このあらすじは沙耶の唄をプレイした人が読むと巧妙なあらすじ説明になっているとして有名ですが、実はほとんど作品の実態を説明していません

 

沙耶の唄」が非常に人を選ぶアブノーマルなエロゲであるために、第一印象で嫌悪感を与えないため、あるいはネタバレをしないで軽く紹介するために意図的に濁して書いたあらすじだと思われます。

 

ぶっちゃけダミーのあらすじですね。

 

もう少し踏み込んで僕なりのあらすじを書くと以下のような感じになります。

 

   主人公の匂坂 郁紀(さきさか ふみのり)は医大生としての日々を過ごしていた。しかしある日突然の事故で両親を喪い、自身も脳に大きな障害を負ってしまう。

 事故以来、彼の目から見た世界は全て「何もかもが歪み、爛れた世界」に変わってしまった。建物は赤黒い肉壁に、人間は異臭を放つ醜悪な肉塊に感じられる。当然、そんな生活で正気を保てるはずもなく、彼の日常は完全に崩壊してしまっていた。

 しかし入院していた郁紀の前に、可愛らしい少女、沙耶(さや)が現れる。沙耶だけは郁紀の目から見ても人間のままであり、郁紀にとって唯一の心の支えとなっていた…。

 

このあらすじの方がより作品の実態がつかめると思います。

 

具体的に言うと…

 

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郁紀から見た人間はみんなこんな感じの醜悪な肉塊に見えるということです。

 

この図体で異臭を放ちながらノイズ混じりの醜い声を発してくるわけですから、そりゃ郁紀に限らず正常な人間なら間違いなく精神崩壊するでしょう。

 

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これは郁紀がベッドで寝ている場面…なのですが、ベッドにみえませんよね。

 

郁紀からすればぬめぬめした肉塊に包まれているとしか思えないわけですから、その心労のすさまじさは想像に難くありません。

 

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そんな精神崩壊まっしぐらの郁紀の前に現れたのが、こちらの沙耶ちゃんです。

 

それまでの間ずっと醜い肉塊しか目にしていなかったのに、突然こんな可愛らしい女の子がやってきたらそりゃ誰だって心の支えにしたくなります。

 

ましてや一緒に住んでくれるだけでなく、体まで許してくれるわけですから、郁紀が沙耶に心を許すのも当然です。まぁお互いに心の支えにしているわけですが。

 

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醜い肉塊の中に可憐な少女がぽつんと座っている…。

周りが醜いだけに、沙耶が映えますね。

 


Saya no Uta OST - 14.沙耶の唄

 

こちらがメインテーマです。

 

突然聴きたくなる瞬間がふとやってくるのは僕だけでしょうか。

 

純愛」がテーマともいえるこの作品の世界観をよく表した名曲だと思います。

 

タンポポって花があるよね。種を風に乗せて飛ばすやつ。綿毛の種は風に運ばれて、故郷から遠く遠く離れて、もしかしたら草木なんか一本も生えていない砂漠に落ちちゃうかもしれない。そんなとき、たった一粒のその種が何を思うか………

 それを想像してくれれば、解ってもらえるかもしれない。わたしのこと。種はもちろん草の種だからね。その気になって頑張れば、砂漠を砂漠じゃなくしてしまえる。ただ一粒だけの種でも、もしかしたら、頑張ろうって思うようになるかもしれない。頑張って育って増えて、いつかこの土地が一面のタンポポ畑になるまで頑張ろうってそう思うかもしれない。そんな風にタンポポの種が心を決めるとしたら、どんな時だと思う?

 それはね、その砂漠にーたった一人だけでもー花を愛してくれる人がいるって知ったとき。タンポポの花は綺麗だね、って、種に話しかけてくれたとき。(沙耶の言葉より引用)

 

この言葉は「沙耶の唄」の名言の1つですね。

 

メインテーマの中でも沙耶がこのセリフを語っていますし、「沙耶の唄」をよく表した言葉だと思います。

 

総括すると「沙耶の唄」は…

 

・グロ要素や鬱要素が幾らかあるため、人を選ぶ作品

・6時間程度と短いながらも、虚淵節満載で満足感十分

・「純愛」がテーマの1つとなっている

・BGMや主題歌等が世界観や雰囲気にマッチしている

 

といった感じです。

 

とまぁ、このくらいで作品紹介は終わりにしたいと思います。

 

これ以上話すとうっかりネタバレしてしまいそうなので…。続きはぜひご自分でプレイしてみてください。

 

6時間程で終わるロープライスですので、案外サクッとやれますよ。

 

一応販売元サイトのリンクも記事最下部に貼っておきます。

 

それでは、また逢う日まで…

 

(追記)

次回は「ノラと皇女と野良猫ハート」について書きたいと思います。

 

 

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