Re:LieF~親愛なるあなたへ~【RASK】【エロゲ】
第4回目の今回は「RASK」による「Re:LieF~親愛なるあなたへ~」について書きたいと思います。
※基本ネタバレはありません
6.Re:LieF~親愛なるあなたへ~
「Re:LieF~親愛なるあなたへ~」は、新ブランド「RASK」から2016年に発売された処女作です。
萌えゲーアワード2016年10月月間賞も受賞しました
あらすじは以下の通りです。
新しい季節、新しい場所、そして新しい学園生活。期待と不安が入り交じる新生活が幕を開けるのは、太平洋に浮かぶ御雲島。閉鎖的な土地に、山を隔てた区分け。コンビニやファミレスなどは一切なく、娯楽施設もほとんどない。ネットや携帯も無い島の中で、主人公たちは初めて顔を合わせる相手と相部屋で生活することとなる。そんな中で、主人公はそれぞれの目標に向かう彼女たちと、どのように恋愛へと発展していくのか。彼らの行く先にある『卒業』は、どのような形で訪れるのか。
トライメント計画とは、社会生活の中で挫折してしまったり、うまく適応することができなかったりした若者を対象とした事業の通称である。そう言った若者たちを対象として、彼らをもう一度学園へと通わせることで、コミュニケーション能力や、社会生活に対する適応力の向上を図ろうというものである。舞台となるのは、太平洋に浮かぶ孤島、御雲島。ネットも携帯も無し、娯楽施設もほとんど無しという環境の中で、参加者たちは1年間の学園生活を体験していくこととなる。(公式サイトより引用)
まぁ簡単に言ってしまうと、社会的に挫折してしまった人たちが、もう一度学校に通うことで適応力を養い、社会復帰を目指していくという内容です。
なんかここだけ聞くと、夜宵草氏によって書かれた漫画で2016年夏アニメにもなった「RELIFE」を思い出しますね。
でもこの作品「Re:LieF~親愛なるあなたへ~」は読み方も「リライフ」ではなく「レリーフ」ですし、学校に通うメンバー全員が社会的に挫折した同じ立場の人たちですので、酷似しているというわけでもないと思います。というか最後までやると全然違う。
この作品の最大の魅力は何といってもグラフィックの美麗さにあると思います。
上の一枚だけが特別に手の込んだ絵というわけではなく、作中のあらゆるCGがこれと同じくらい美麗です。
特にHシーンのCGは肉感がありすぎて怖いくらいです。さすがにHシーンのCGは載せられませんが。
でも、Hシーンの数はエロゲの割に少なすぎますし、構図も全くエロティックではないのでそっち方面を期待して買うのはオススメしません。
これはイベントCGではなく単なる背景なのですが、背景も丁寧ですね。
絵買いしたという人も少なくないのではないでしょうか。
そんな今作ですが、一般的な作品とは違う点が所々あります。
例えば、ゲームをスタートすると一人称がこの女の子なのです。
主人公は別にいるのですが、主人公の視点からではなく、序盤はこの箒木日向子の視点で話が進みます。
そして序盤が終わりひと段落つくと、やっと主人公、新田司の視点になります。
エンディング数は全部で4つですが、他の3つのエンディングではほとんど何もわからないまま終わってしまうため実質的なエンディングは1つです。
日向子や他2人の√だとモヤモヤしたまま終わってしまい、その3つのエンディングを回収し終えることでやっとグランド√が解放されます。
グランド√のヒロインが上のアイちゃんです。プレイし終えてからだとまた違った感想なのですが、まぁこの子の√と言っても間違ってはいないでしょう。
これ以上話してると、うっかりネタバレしてしまいそうになるので避けますが、序盤までやった人や公式サイトだけを読んだ人が予想する結末とは全然違った結末を迎えます。
まぁ勘が鋭い方なら案外すぐわかるのかもしれません。僕はてっきり青春群像劇的な感じの作品かなと思っていました。
グラフィックだけでなく音楽もいいです。
こちらはOPムービーなのですが、かなりハイクオリティです。
やはり処女作ですので所々シナリオ上の粗は見えますが、僕個人としては、グラフィックや音楽やその他演出の出来がよかったので特に不満は感じませんでした。
良く言えば「演出がすばらしい」
悪く言えば「雰囲気で乗り切っているだけ」
といったところでしょうか。
「試してみるんだ、もう一度」という言葉がテーマになっているのですが、最後までそのテーマを貫いた良作だったと思います。
総括すると「Re:LieF~親愛なるあなたへ~」は…
・グラフィックや音楽やその他演出の完成度が高い
・シーン数や構図はイマイチだがHシーンの絵が他にはない出来
・テーマが明確で一貫している
といった感じです。
全然エロゲっぽくないようなこの作品でもエロゲとして販売されている以上、エロゲだからというだけで忌避していては出会えない作品です。
エロゲ要素が少ないこの作品なら、いつかコンシューマー版が発売されてもおかしくありませんが、今のところそんな情報はありませんので、エロゲをプレイしたことない方にもぜひおすすめしたいです。
少しはエロゲに対するイメージが変わるのではないでしょうか。
それでは、また逢う日まで…
(追記)
次回は「彼女のセイイキ」「妹のセイイキ」「学校のセイイキ」のセイイキシリーズ3作品について書きたいと思います。